全国に数百箇所あるとされる平家伝説の地の中でも、特に著名な「日本三大平家隠れ里」の現在の姿を紹介します。
1. 栃木県日光市「湯西川温泉 平家の里」
平忠房の残党が逃げ延び、温泉で傷を癒やしたとされる関東屈指の隠れ里です。現在も茅葺き屋根の古民家が保存され、毎年6月には落人の衣装を纏った武者行列「平家大祭」が開催されています。村内では長年、端午の節句に鯉のぼりを揚げない伝統が忠実に守られてきました。
2. 徳島県三好市「祖谷(いや)」
祖谷渓の険しい断崖に位置し、平国盛(平教経)が幼い安徳天皇を奉じて落ち延びたという伝説が色濃く残ります。シラクチカズラで編まれた「祖谷のかずら橋」は、追手から逃れる際に即座に切り落とせるよう設計された構造物として知られ、国の重要有形民俗文化財に指定されています。
3. 宮崎県東臼杵郡「椎葉村(しいばそん)」
平清盛の孫とされる平忠房の残党が潜んだ九州山地の奥地です。追討を命じられた源氏方の武将・那須大八郎(那須宗久)が、平家の人々の悲壮な生活ぶりに同情して討伐を断念し、平家の姫である鶴富姫と恋に落ちたロマンスが伝わります。神楽をはじめとする中世の文化がほぼ手つかずのまま現代へ継承されています。