株式会社吉田を離れた吉田勝之が、実の息子である吉田玲雄とともに2007年に設立したのが「株式会社ポータークラシック」である。ここにもまた、もう一つの「社長の息子」の物語が存在する。写真家や作家として活動していた息子の玲雄は、父・勝之とともに孫の代へと受け継がれる「メイド・イン・ジャパン」の上質な衣類や鞄を作り始めた。
父から息子へ。吉田吉蔵から始まった職人魂は、株式会社吉田の伝統的ラインとは異なるアプローチで、ポータークラシックという新天地で開花した。刺し子や剣道着の生地を用いた独創的なプロダクトは、世界中の服飾愛好家を魅了している。伝統を壊すのではなく、血統に流れる美学を再解釈した結果と言えるだろう。