娘である野口絵子の存在は、この家族の物語を語る上で欠かせない。父と同じく登山・アウトドア業界で注目を集め、弱冠10代からニュージーランド留学や本格的な山岳アタックを経験してきた彼女の感性は、両親の深い愛情の中で育まれた。
父の背中を追って厳しい山へと踏み出す娘を送り出す際、母としての葛藤がなかったはずはない。しかし、彼女は娘の意志を全力で尊重し、過保護にならずに見守る道を選んだ。親子で山に挑む父娘を留守宅で支え、いつでも帰ってこられる温かな家庭を作り続けること。その懐の深さが、野口絵子のたくましい成長と自由な感性を後押ししてきた。