一部のネット掲示板やSNSでは「ザダブリューの優勝者はバラエティで生き残れない」「M-1グランプリの優勝者に比べてインパクトが薄い」という言説が定期的に書き込まれる。しかし、報道現場から各芸人の足跡を検証すると、その指摘がいかに実態とかけ離れているかが浮き彫りになる。
初代女王のゆりやんレトリィバァは、その後R-1グランプリでも優勝を果たし、アメリカのオーディション番組出演を経て2024年以降は本格的に活動拠点を海外へシフトさせた。Netflixドラマの主演など、コメディアンの枠組みすら飛び越えたグローバルな活躍を見せている。
第2代女王の阿佐ヶ谷姉妹は、穏やかな人柄と確かな漫才技術を武器にエッセイがNHKでドラマ化されるなど、国民的な好感度タレントへと昇華した。情報番組のコメンテーターやCM契約数は常に上位をキープしており、彼女たちのブレイクを「一発屋」と呼ぶ者は皆無である。
第4代の吉住に至っては、優勝直後に出演した特番の独占インタビューで「ネタを一生やり続けるための通行手形が欲しかった」と吐露している。その言葉通り、彼女は単独ライブのチケットが数分で即完売するコント職人としての地位を固めつつ、数多くの民放プライム帯ドラマでバイプレイヤーとして重宝される唯一無二のポジションを築いた。
さらに第7代女王の紅しょうが(熊元プロレス・稲田美紀)は、優勝を機に関西から東京へ本格進出し、ラジオ番組のパーソナリティやファッション誌の連載、バラエティ番組のひな壇を席巻。第8代のにぼしいわしもフリーランスという逆境を逆手に取り、単独全国ツアーの規模を倍増させている。
かつて囁かれた「優勝しても売れない」というジンクスは、初期のバラエティ界における女性芸人の椅子取りゲームの少なさに起因していた。現在では各芸人がラジオ、演劇、エッセイ、YouTube、海外進出といった多様な出口戦略を確立しており、賞レースの戴冠はその後のロングランなキャリア形成における最大のブースターとして機能している。