本作の核を成すのは、聴覚障害を持つ新進画家の榊晃次と、女優を目指す水野紘子との心の交流だ。言葉に頼らないコミュニケーションが描く深遠な世界観は、言語の壁を軽々と超えて世界中の観客に届いている。
劇中で描かれる手話は、単なる情報の伝達手段にとどまらない。互いの指先を見つめ、表情の微細な変化を読み取り、時に情熱的に、時に切なく感情を爆発させる。その姿は「真の対話とは何か」を現代人に問いかける。音声言語だけでは届かない領域にある純粋な魂の触れ合いが、時代や国境を超えた普遍的な感動を生み出しているのは間違いない。