名作の裏には、主演女優の並々ならぬ執念と緻密な計算が存在していた。サエコを演じるにあたり、石原さとみは自ら衣装選びやメイクの細部にまで意見を出していたという。首の傾け方、視線の外し方、声のトーンの上げ下げといった日常の動作すべてに「サエコフィルター」を通す徹底ぶりが徹底されていた。
特に話題を呼んだ「チョコを食べるシーン」では、一口のサイズや味わう表情の秒数までカメラワークと完璧にシンクロさせていたとされる。共演者やスタッフもそのプロ意識に舌を巻いたという逸話は多い。計算し尽くされた小悪魔的な仕草は、偶然の産物ではなく、緻密に組み上げられたアート作品そのものだったのだ。