ファンタジースプリングスに足を踏み入れると、地形そのものが語りかけてくる。『アナと雪の女王』の荘厳なアレンデール城、『塔の上のラプンツェル』の森深くに佇むランタンの塔、そして『ピーター・パン』のネバーランド。三つの世界がひとつの盆地状のエリアに見事に融合している。
しかし、美しさは同時に過酷なボトルネックを生む。とりわけアレンデール王国の入り江周辺は、景観を撮影する人々とスタンバイパスの待機列が交錯し、終日強い滞留が発生しやすい。水辺の小道は風情がある反面、道幅が狭い。混雑の震源地を避けるには、岩肌を削り出したトンネル状の側道を見逃さない観察眼が求められる。精巧に作られた巨岩の彫刻に見とれていると、目的地とは逆方向の通路に吸い込まれる設計になっているのも、ディズニーならではの巧みな罠だ。