1980年代、高校野球の常識を覆したのが桑田真澄と清原和博の「KKコンビ」だった。1年生にして全国の頂点に立ち、在学3年間で全国高等学校野球選手権大会と選抜高等学校野球大会合わせて5季連続で甲子園出場を果たした。優勝2回、準優勝2回という圧倒的な戦績は、いまなお破られていない大記録だ。
この黄金時代を築き上げたのが、PL学園高等学校の指揮を執った名将・中村順司である。中村が掲げた「球道即人道」の精神と緻密な状況判断力は、単なる力勝負にとどまらない洗練されたベースボールを確立した。阪神甲子園球場の大観衆が固唾をのんで見守る中、土壇場で見せる集中力は「逆転のPL」という異名を生み、高校野球の代名詞となった。