たい焼きの歴史を語る上で外せないのが、明治42(1909)年創業の麻布十番「浪花家総本店」です。「およげ!たいやきくん」のモデルとしても知られるこのレジェンドから暖簾分けを許され、2010年に浅草の国際通り沿いに暖簾を掲げたのが浅草浪花家です。
同店の真骨頂は、鋳型を1丁ずつ手作業で直火にかざして焼き上げる「一丁焼き(通称:天然モノ)」にあります。一度に何十匹も効率よく焼く「養殖モノ」の機械焼きとは異なり、職人が2キロ近い焼き型を絶え間なく返し、火加減をミリ単位でコントロールします。この妥協なき工程によって、極限まで薄く仕上げられた皮はパリッと香ばしく、北海道十勝産小豆を8時間じっくり炊き上げた風味豊かな粒あんの旨味をダイレクトに引き出しています。