この楽曲の完成度の高さを語る上で外せないのが、80年代の歌謡曲・アニソン界を牽引した作詞・売野雅勇と作曲・芹澤廣明の存在です。チェッカーズや中森明菜など数多くのメガヒットを生み出してきた2人が、『タッチ』の世界観を表現するために注ぎ込んだ熱量は極めて高いものでした。
作曲を手がけた芹澤廣明は、哀愁を帯びたマイナーコードのイントロから、サビで一気に感情が解放されるダイナミックなメロディラインを設計。単なる応援ソングやスポ根アニメの枠を超え、AOR(大人向けロック)の洗練されたコード進行を取り入れました。
一方、売野雅勇の歌詞は、直情的な悲しみを描くのではなく、青春の乾いた切なさと情熱を対比させました。劇中で和也の死という重い出来事があった直後の第28話からこの曲が流れるにあたり、重苦しさを救済に変える軽快なビート感と、芯のある言葉選びが計算し尽くされています。