あきしおが来館者に与える最大の衝撃は、海に浮かべるのではなく「陸上にそのまま設置されている」という点です。基準排水量約2,250トン、全長76.2メートル、全幅9.9メートルという規格外の鉄塊を陸揚げし、恒久的な建築物として固定する作業は、日本の土木・造船技術の粋を集めた大プロジェクトでした。
2006年(平成18年)9月、解役後に呉造船所で機密機器の取り外しや安全化工事を施された船体は、国内最大級の起重機船(フローティングクレーン)「深田サルベージ建設・富士」によって吊り上げられ、呉港の岸壁から陸上の特設台座へと移送されました。現在見られる姿は、船底のキール部分からスクリュー、潜舵(セイルプレーン)に至るまで、普段は海中に没して見ることができない潜水艦の外郭構造を360度から観察できる貴重な教材となっています。