刑事責任と並行して進む民事上の損害賠償請求においても、深い爪痕が残されている。愛する家族を突如奪われた遺族らが起こした集団訴訟に対し、有限会社知床遊覧船および桂田被告側の賠償能力は著しく不足している。同社の資産は限定的であり、保険金の支払いに関しても複雑な法的対立が続いている。
「お金で家族は戻らないが、誠意ある補償と反省の態度を見せてほしい」という遺族の願いは、泥沼化する法廷闘争の前に悲しく遮られている。補償の手続きが進まぬまま時間が経過し、遺族らの心の傷は癒えるどころか、不透明な対応によって深まり続けている。