ネット上の掲示板や受験系インフルエンサーの間でまことしやかに囁かれる言説に、「進研模試の偏差値は高く出るから無駄」「進研模試の偏差値マイナス10が河合塾の偏差値」という通説があります。しかし、この言説を鵜呑みにして進研模試を軽視することは、極めて危険な戦略的過誤を招きます。
確かに進研模試は上位中高一貫校の一部が参加しない回があるため、駿台模試などに比べ母集団全体の学力中央値は低めに出ます。その結果、同じ実力でも「進研模試で偏差値65」だった生徒が「駿台模試では偏差値48」と表示される現象は日常茶飯事です。
しかし、進研模試の真価は偏差値の絶対値ではなく、「全国約40万人の中で自分がどの層にいるか」というボリュームゾーンの把握と「教科書の基礎問題で絶対に落としてはならない問題の選別」にあります。難関大入試であっても、合否を分けるのは難問の正解率ではなく、受験生の7割が正解する基礎・標準問題を確実に得点できたかどうかです。進研模試で偏差値65(得点率約6割)に届かない生徒が、より難度の高い模試や実際の大学入試問題で合格点を取れる道理はありません。
また、「進研模試高2 過去問と対策法」を探す過程でネット上の過去問を闇雲に解き散らかす受験生がいますが、新課程前の古い過去問(特に数学C分離前や、国語の実用文導入前)を無批判に解くのは効率的ではありません。現在の出題形式に即した直近2年分の過去問や、各社から刊行されている共通テスト対策問題集の基本パートを復習する方が、遥かに高い学習効率をもたらします。