テレビ番組や巨大フェスで披露されるAKB48のグループパフォーマンスも華やかでしたが、本作の真のポテンシャルが発揮されたのは、山本彩 ソロ アコースティックの形態でした。彼女は小学生時代からギタースクールに通い、ガールズバンド「MAD CATZ」のギタリスト兼ボーカリストとしてメジャーデビューした経歴を持つ、生粋のプレイヤーです。
その実力がいかんなく発揮されたのが、2016年のソロアルバム発売に伴う『山本彩 LIVE TOUR 2016 ~Rainbow~』でした。ステージ中央でアコースティックギターを抱え、コードをつま弾きながら歌い始めた瞬間、アイドルソングとしての装飾は完全に削ぎ落とされ、生身のシンガーソングライターによるフォークバラードへと昇華しました。この山本彩 ギター 弾き語りスタイルは、その後の彼女のライブにおける象徴的なキラーチューンとなります。
さらに2021年に開催された『SAYAKA YAMAMOTO TOUR 2021 ~ re ~』などのツアー映像でも確認できるように、年を重ねるごとに彼女の歌声は低音の豊かさと説得力を増し、原曲の少女らしい純朴さから、人生の酸いも甘いも噛み分けた大人のエールソングへと進化を遂げました。
また、本作は音楽業界内外に大きな影響を与え、365日の紙飛行機 カバーとして徳永英明、水樹奈々、川井郁子をはじめとする実力派アーティストたちが次々と自身のレパートリーに取り入れました。国内外の教育現場や合唱団でも歌い継がれるスタンダードナンバーとなった背景には、本家である山本彩がアコースティックな「生演奏・生歌」の強度を証明し続けた功績が存在します。