行方不明の一報が入り、警察に「行方不明者届」が提出されてからの初動捜査は、時間との闘いとなります。特に残された書き置きから自傷・他害のおそれが強いと判断された場合、警察は一般家出ではなく「特異行方不明者」に指定し、専従捜査班を編成します。現代の都市型捜索における標準的なタイムラインは次の通りです。
失踪直後から24時間のフェーズでは、自宅最寄り駅、通学路、周辺コンビニエンスストアの防犯カメラ映像を時系列で繋ぎ合わせる「リレー捜査」が集中的に実施されます。近年は民間施設や自治体の監視カメラネットワークが高精細化しており、服装や所持しているリュックサックの特徴から、どの方面の電車に乗り込んだかが数時間で判明する事例が増えています。
失踪から24〜72時間のフェーズでは、交通系ICカードの利用履歴、コンビニでの電子マネー決済ログ、スマートフォンの基地局接続データが照会されます。本人がスマートフォンの電源を切っていたり機内モードに設定していても、最後に電波を掴んだ基地局のセルエリアから移動ルートの絞り込みが行われます。過去の報道事例でも、ターミナル駅の改札を出た後の足取りが商業ビルの出入口カメラによって捕捉され、その後の滞在エリア特定に直結したケースが多数報告されています。
72時間を経過した段階で足取りが完全に途絶えている場合、公共交通機関を使わずに第三者の車両に同乗した可能性、またはインターネットカフェや個室型宿泊施設、SNSで知り合った人物の住居に潜伏している危険性が急激に浮上します。この段階で警察発表ニュースとして氏名や顔写真が公開され、一般からの目撃情報提供を募る公開捜査へと切り替えられるのが通例です。