デジタル化や規則厳格化が進む一方で、競技現場では特有の摩擦や適応の課題も浮き彫りになっています。県内強豪実業団およびクラブチームの指導者、そして週末にグラウンドへ立つ公認審判員へのヒアリング取材からは、表層的な広報発表だけでは見えない実情が伝わってきます。
特に話題にのぼるのが、福岡県ソフトボール協会の審判員講習会のあり方です。ベテラン審判員の一人は次のように述懐しています。「以前は毎年決まったグラウンドに早朝から集まり、座学から実技まで一日がかりで受講するのが恒例でした。現在は座学がオンライン視聴で完結できるようになったため、本業を抱える若い審判員の確保という面では確実にプラスに働いています。ただ、投球モーションのイリーガルピッチ判定や走塁妨害の基準すり合わせは、やはり現場で体を動かさないと感覚が掴みにくいという懸念も残ります」。
地域クラブの現場でも、年配の監督陣と若手事務局員の間で業務分担の再編が進んでいます。SNSや地域の指導者コミュニティでは「登録システムのアカウント管理を任されていた前担当者が退団してログインできなくなった」「支部ごとの窓口担当者によって回答スピードに差がある」といったリアルな困りごとも散見されます。組織のシステム化が進む過渡期だからこそ、個人任せにしないチーム内での情報共有が不可欠となっています。