有磯の湯の閉館プロセスを振り返ると、当初は「設備点検・ボイラー故障に伴う一時休業」という形でアナウンスされていました。しかし、そのまま営業が再開されることなく、正式な閉館告知へと移行した経緯があります。この「突然の中断」が、ネット上で様々な憶測を生む要因となりました。
事態の深層を探ると、単なる部品交換では済まない数千万円規模に及ぶ熱源ボイラーや地下配管の致命的な破損が発覚したことが引き金でした。さらに追い打ちをかけたのが、2020年代初頭から温浴業界全体を直撃した重油・都市ガス価格、そして電気料金の記録的急騰です。
運営会社にとって、巨額の修繕費用を投じたとしても、高止まりする光熱費と人件費を回収できる見込みが立たなかったという経営判断の限界がありました。富山県内のスーパー銭湯業界でも同様の倒産・撤退が相次ぎましたが、有磯の湯もまた、設備の耐用年数超過とエネルギー危機という二重苦に飲み込まれた典型例といえます。