夏本番を迎える7月下旬から8月にかけて、「しまむらに行ったのに浴衣がまったく売ってない」という不満の声が知恵袋やSNSで急増します。この現象は供給不足ではなく、しまむら特有のアパレル流通構造と在庫コントロール戦略に起因しています。
最大の要因は、「初夏売り切り型」の販売スケジュールです。しまむらのシーズンマーチャンダイジングでは、浴衣の入荷ピークは6月中旬から7月上旬であり、7月中旬を過ぎると追加生産は行われず、店頭の在庫は秋物や水着クリアランスへとスペースを明け渡します。つまり、地域のお祭り直前に店舗を訪れても、すでに在庫はほぼ払底しているのです。
2つ目の要因として、全店舗で一律展開されていない点が挙げられます。郊外の大型店舗や若年層の来店比率が高い旗艦店には潤沢に配架される一方、中小型店舗やシニア層主体の店舗では浴衣コーナーそのものが極小、あるいは未導入であるケースが珍しくありません。
3つ目は、人気インフルエンサーコラボ商品の瞬間蒸発です。プチプラ浴衣レディース市場を牽引する限定デザインは、発売初日の午前中に買い占められることも多く、一般客が売り場を訪れた時点では「影も形もない」状態が生まれてしまいます。