先月開催された京都伝統工芸展。会場のなかでもひと際大きな人だかりをつくっていたブースがあった。そこで披露されたのは、伝統的な織物技法を日常使いの小物へ落とし込んだ新作和雑貨の数々だ。
日本の繊維・和雑貨産業が素材調達や後継者不足に悩まされるなか、独自の生産ラインと若手育成システムを構築。実用性と美術品としての美しさを両立させたバッグやポーチは、来場したバイヤーたちを唸らせた。展示会で明かされた秘話によれば、試作段階で幾度となく織り直された生地は数十種類に及ぶ。手に馴染む質感の裏には、目に見えない試行錯誤が隠されていた。