原材料の高騰や消費者の嗜好の細分化を受け、現在の外食産業は大きな転換点を迎えている。その象徴が、ハンバーガー市場における「日常のスピード感」と「非日常の体験価値」への鮮明な二極化だ。
日常のインフラとして圧倒的な利便性と手頃さを保ち続ける日本マクドナルドは、徹底したオペレーション効率化で都市生活者の胃袋を支え続ける。一方で、国産素材への強いこだわりと丁寧な商品設計で独自のポジションを築くモスフードサービスや、直火焼きパティの本格的なスモーキーさでファンを急増させているバーガーキングが存在感を増す。さらに、ニューヨーク発祥の洗練された空間とプレミアムな素材使いで知られるシェイクシャックなど、ファストフードの枠組みを超えたブランドが都市部を中心に熱狂的な支持を集めている。手軽なワンコインから贅を尽くしたグルメバーガーまで、私たちの選択肢はかつてないほど豊かになった。