天童の食文化を語る上で、まず筆頭に挙がるのが圧倒的な個性を誇る「麺類」の存在です。山形県はラーメンや蕎麦の消費量が全国屈指ですが、天童市には独自の進化を遂げた唯一無二の名物が揃っています。
不動の人気を誇るのが、「水車生そば」の元祖鳥中華です。蕎麦のつゆに使う純和風のダシをベースに、鶏肉の旨味、天かすのコク、そしてピリッと効かせた黒コショウが絶妙なアクセントを加える一杯。もともとは賄いから生まれた裏メニューでしたが、今や全国からファンが押し寄せるソウルフードとなりました。モチモチとした中太縮れ麺に絡む甘辛いスープは、一度口にすると忘れられない中毒性を持っています。
もう一つの絶対的エースが、天童名物「冷たい肉そば」です。親鶏から丁寧にとった脂の浮く冷たいコク旨スープに、力強いコシを持つ黒っぽい田舎蕎麦が合わさります。噛むほどに旨味がにじみ出るコリコリとした親鶏の肉と、シャキシャキのネギが抜群の相性を発揮。地元では夏場だけでなく、雪の降る真冬でも冷たい肉そばを注文するのが日常の風景です。
天童市グルメの地元民による評判を調査すると、「水車生そばの鳥中華はもちろん、冷たい肉そばなら『一庵(いあん)』の行列も外せない」という声が多数挙がります。観光客向けの派手さだけに頼らず、地元客が毎週のように通い詰める確かな出汁と麺のクオリティが、この街の麺文化を支えています。