一般のスーパーマーケットと比べ、なぜベルクス浦和南店の商品はこれほどまでに安いのか。流通専門家の取材から浮かび上がってきたのは、運営母体である株式会社サンベルクスの出自と経営哲学に直結する合理的な構造です。
サンベルクスは、東京都足立区花畑の小さな八百屋「サンベルクス青果」からスタートした企業です。現在も「専門化スーパーマーケット」を標榜し、総合スーパー(GMS)のような衣料品や住居関連品には手を出さず、食料品、とりわけ生鮮食品に経営資源を集中投下しています。この歴史的背景が、現在の安さを生み出す3つの柱を形成しています。
第1に、市場直結のプロフェッショナル・バイイングです。サンベルクスのバイヤーは東京都中央卸売市場(大田市場や足立市場など)に毎朝直接出向き、自らの目利きで大量の一括買い付けを行います。中間流通業者(問屋)を通す回数を極限まで削ることで中間マージンを排除し、他社が真似できない仕入れ値を実現しています。
第2に、「売り切り御免」を徹底する鮮度管理オペレーションです。大量に仕入れた青果や鮮魚を翌日に持ち越さず、その日のうちに売り切る価格設定を行うため、廃棄ロス率が業界平均を大幅に下回ります。通常スーパーでは廃棄リスクを見越して販売価格にマージンが上乗せされますが、ベルクスでは廃棄損が極めて小さいため、その分を店頭売価の引き下げに還元できる好循環が生まれています。
第3に、無駄を削ぎ落とした店舗設計と物流効率です。ベルクス浦和南店は過度な装飾や高級什器を排し、商品を段ボールのまま陳列するボックス陳列を積極的に活用。品出しにかかる人件費を圧縮しています。さらに自社専用の物流センターから首都圏各店舗へ高密度に配送するドミナント戦略を敷くことで、1店舗あたりの物流コストを最小化させているのです。