地域密着の学校生活を物語るのが、毎年秋に開催される稲荷山養護学校の文化祭(稲養祭)や各種行事です。作業班が丹精込めて作り上げた陶芸作品や木工家具、無農薬野菜の販売コーナーは地域の住民や卒業生で賑わい、生徒たちが誇らしげに接客を担当する姿が見られます。校内行事を通じて得られる「自分の作ったものが誰かに喜ばれる」という成功体験が、自己肯定感を育てる好循環を生み出しています。
保護者のリアルなコミュニティでの証言を調査すると、以下のような生の声が確認できます。
「地域の通常小中学校の特別支援学級に在籍していた頃は、周りとのスピードの差に子どもが劣等感を抱きがちでした。しかし、稲荷山養護学校に転学してからは、自分と同じペースの仲間と落ち着いた環境で過ごせるようになり、表情が劇的に明るくなりました」(中学部転学の保護者手記より)
「寄宿舎での生活は当初、親として寂しさや不安もありました。ですが、週末に帰宅した子どもが自ら洗濯物を畳み、食器を配膳する姿を見たときは涙が出ました。親離れ・子離れの健全な一歩を学校が後押ししてくれたと感謝しています」(高等部寄宿舎生の保護者談)
現場指導の細やかさに対する評価が高い一方、「高等部の一般企業就職を目指す場合、より高度なPCスキルや接客スキルの専門課程を求める声」も一部には存在します。高い就職スペックを最重要視する家庭にとっては、福祉的就労と企業就職の双方を包摂するカリキュラムが、時に緩やかに映る場合もあるようです。