前述の30度や45度のような特別な角度ではない場合(例:傾斜角が23度や35度など)、どうやって辺の長さを求めるべきでしょうか。ここで登場するのが、高校数学で習得する三角比の計算公式および三角関数による求め方です。
直角三角形において、1辺と角度がわかる場合、直角以外のひとつの鋭角を $\theta$(シータ)と置くと、正弦($\sin$)、余弦($\cos$)、正接($\tan$)という3つの比率を使って、未知の辺を完全に割り出すことができます。
【三角比を使った辺の計算基本ルール】
・斜辺 $c$ と角度 $\theta$ が分かっている場合:
底辺 $a = c \times \cos\theta$
高さ $b = c \times \sin\theta$
・底辺 $a$ と角度 $\theta$ が分かっている場合:
高さ $b = a \times \tan\theta$
斜辺 $c = \frac{a}{\cos\theta}$
例えば、屋根の勾配を設計する際、水平距離(底辺)が 4m で屋根の傾斜角度が 20度 である場合、屋根の立ち上がりの高さは $4 \times \tan(20^\circ)$ で算出できます。三角比の表や電卓の関数機能を使えば、$\tan(20^\circ) \fallingdotseq 0.3640$ であるため、高さは約 1.456m と即座に判明します。三角関数は一見すると抽象的な学問に見えますが、実態は「角度を辺の長さに変換するための高精度な換算ツール」なのです。