俳優・福山雅治の名を日本全国の津々浦々まで轟かせた決定打といえば、1993年にフジテレビ系で放送された野島伸司脚本のドラマ『ひとつ屋根の下』です。最高視聴率37.8%を記録したこのメガヒット作で、彼は柏木家の次男・柏木雅也(通称:チイ兄ちゃん)を演じました。
江口洋介が演じる熱血漢の長男・達也に対し、クールで知的な医学生でありながら、心の奥底に家族への深い情愛と葛藤を秘めた雅也のキャラクターは、視聴者に強烈なインパクトを残しました。白衣を羽織り、物静かに語りかける姿は世の女性たちを虜にし、劇中で魅せた哀愁に満ちた表情は今なおテレビドラマ史に残る名場面として語り継がれています。
当時のビジュアルにおいて象徴的だったのが、肩にかかるかどうかの美しいセンター分けのストレートヘアです。90年代初頭のストリートカルチャーやモードファッションとも見事に共鳴し、全国の美容室で「チイ兄ちゃんのような髪型にしてほしい」というオーダーが殺到する社会現象を巻き起こしました。それまでの「硬派か軟派か」という二項対立を超えた、知性と色気を両立させた新しい男性像のアイコンとなったのです。