一昔前の病院食といえば、「味が薄くて退屈なもの」というイメージが強かった。しかし、現在のトレンドは「パーソナライズ(個別化)」だ。入所者個人のバイタルデータや、将来的にはゲノムデータとも連携し、その日の体調や持病に最適化された食事が自動で生成される時代が幕を開けている。
例えば、腎臓病患者向けの低タンパク食でありながら、出汁の旨味を極限まで引き出すことで、塩分を感じやすくする調理法などがデータベース化されている。単に「生きるための栄養補給」ではなく、「食べる喜び」を治療やリハビリの一環として位置づける試みが始まっている。