「1200円の15%は?」と聞かれて、即座に「180円」と答えられる大人が減っている。スマートフォンの普及は私たちの生活を劇的に便利にしたが、同時に基本的な計算能力を奪い去った。画面をタップすれば一瞬で答えが出る環境が、脳の「見積もる力」を錆びつかせているのだ。
都内のIT企業に勤める男性(34)は、「普段の業務で高度なデータ分析をしているのに、居酒屋の割り勘で10%の消費税計算すらスマホに頼ってしまう」と苦笑する。思考のショートカットが常態化した結果、私たちは単純な数字の操作すら機械に委ねるようになった。