現在でこそ白髪交じりの独特な風貌と飄々とした佇まいで知られる柄本明ですが、20代から30代当時の昔の画像を振り返ると、現代の若手実力派俳優にも通じるスタイリッシュな色気を放っています。当時のモノクロポートレートや舞台写真に収められているのは、切れ長の鋭い目元、すっきりと通った鼻筋、そして引き締まったシャープなフェイスラインです。
特に1970年代中盤、20代後半当時の柄本明の若い頃の写真に対しては、SNS上で「まるでUKロックバンドのフロントマンのようなアンニュイさ」「70年代のヌーヴェルヴァーグ映画に出てくる青年のよう」といった感想が数多く寄せられています。当時は長めの黒髪をラフに流し、スリムな長身にシンプルなシャツやジャケットを着こなす姿が印象的で、単なる端正な顔立ちにとどまらない、どこか世の中を斜めに見つめるような尖った知性が漂っていました。
東京都中央区銀座(旧・木挽町)で生まれ育った柄本明は、映画好きな家庭環境で育ちながらも、工業高校を卒業した後は一度大手商社に就職して会社員生活を送っていました。しかし映画への情熱を断ち切れず、20歳を過ぎてから俳優小劇場の養成所へ入所。社会人を経験した後に表現の世界へ飛び込んだという経歴が、当時の立ち姿に単なる若気の至りではない、陰影に富んだ大人の風格を与えていたと言えます。