本作の全話平均世帯視聴率は9.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。初回は11.1%と2桁発進を切ったものの、中盤は7〜8%台に落ち込む回もあり、前評判の高さからすると数字面では苦戦を強いられました。
当時、関係者の間で語り草となったのが、番組の打ち上げにおける石原さとみの涙のスピーチです。取材報道によると、石原は壇上で大粒の涙を流しながら「全責任は私にあります」「悔しい、勝てなかった」と声を詰まらせて語り、作品に注いだ並々ならぬ覚悟を吐露しました。座長として作品を背負い続けた彼女のプロ意識に、会場にいたスタッフ・キャスト陣からは惜しみない拍手が送られたといいます。
では、なぜ視聴者の間でも評価が真っ二つに分かれたのでしょうか。SNSやレビューサイト(FilmarksやYahoo!テレビ評価など)の投稿を分析すると、明確な構造が見えてきます。
【熱狂的な支持層の声】
「野島伸司特有のヒリヒリする台詞回しと、石原さとみの美しさが奇跡的な融合を見せている」
「峯田和伸の演じる直人の言葉が、生きづらさを抱える現代人の心に深々と突き刺さる」
「単なる恋愛ドラマではなく、芸術家が自己を削り出して作品を生み出す狂気と孤独の描写が凄まじい」
【戸惑い・否定的な層の声】
「水曜22時枠の爽快なラブコメを期待していたら、心理描写が暗くドロドロしていて重すぎた」
「野島伸司節の倫理観スレスレの展開や、性や愛の生々しい駆け引きについていけなかった」
つまり、ライトな「美女と野獣の格差ラブストーリー」を期待した層が脱落した一方で、人間の暗部や芸術の本質に踏み込んだ「純文学的ドラマ」を求めた層からは、近年稀に見るカルト的傑作として熱烈に称賛されたのです。