SNSのタイムラインで定期的にトレンド入りする「過激地下アイドルの炎上理由」を紐解くと、その発端の多くはファンとの物理的・心理的距離の近さに起因しています。客席へのダイブやリフトといった危険行為はもちろん、ステージ上での過激な衣装露出、さらには観客に私物を踏ませる、酒類を口移しで飲ませるといったアングラ劇団顔負けの奇行パフォーマンスまで、その形態は年々エスカレートしてきました。
かつてカルチャーシーンを震撼させた「地下アイドルの歴代過激グループ」を振り返れば、2010年代初頭に全裸PVや野外ゲリラライブで音楽界に風穴を開けたBiS(新生アイドル研究会)の登場がひとつの転換点でした。当時は既存の清純派アイドル像に対する強烈なアイロニーやアヴァンギャルドな芸術表現としての文脈が存在していました。しかし、現在観測される過激化の多くは表現の模索ではなく、「炎上させてでもタイムラインでバズらなければ、明日には埋もれて消える」という切迫した集客の焦燥感から生まれています。
大手事務所に所属しないインディーズアイドルにとって、メディア露出の機会はほぼゼロに等しいのが現実です。月間数十本に及ぶ対バンライブ(複数グループによる合同イベント)で新規客の目を引くため、一部の運営やメンバーが「手っ取り早いバズ」を狙って過激路線に舵を切ってしまいます。その結果、ネット上での瞬間風速的なバズと引き換えに、一般層からの激しい嫌悪感や会場からのペナルティを背負う負の連鎖が各地で常態化しています。