「残らない消えものなら失敗しない」という言説は、ギフト選びの常套句として広く信じられていますが、ここには重大な落とし穴が潜んでいます。
代表的な盲点が「高級入浴剤」です。おしゃれなパッケージのバスソルトは5000円前後の定番ですが、相手の自宅の風呂釜が循環式や大理石仕様の場合、硫黄成分や塩分を含む入浴剤は故障の原因になるため使用できません。また、夏場やシャワー派の単身者にとって、大量の入浴剤は消費に困る重荷と化します。
高級スペシャリティコーヒー豆や高級茶葉も同様です。自宅にミルや急須、抽出器具がない家庭が増加している現在、豆のまま贈ったりリーフティーを渡したりすることは、相手に器具の準備という手間を強いる行為にほかなりません。消えものを選ぶ場合であっても、ドリップバッグ形式や手軽に開栓できるボトル飲料など、「受け取ったその瞬間に特別な器具なしで消費できるか」という導線の確認が不可欠です。