昨今のボディメイクや健康増進ブームに伴い、SNSやQ&Aサイト(Yahoo!知恵袋や5ちゃんねる等)では、「筋トレに励んでプロテインを毎日飲んでいたら、健診でクレアチニンが引っかかった」「ボディコンテスト前の減量とサウナで脱水気味だった翌日に受診したら要再検査になった」といった投稿が急増しています。
実際にネット上に寄せられた生の声を検証してみると、次のような共通パターンが浮かび上がってきます。
「20代後半男性。週5でベンチプレスをやり、クレアチンサプリと体重×2gのホエイプロテインを継続。健診でクレアチニンが1.28 mg/dL、eGFR 55で要精密検査。怖くなって腎臓内科へ駆け込んだところ、シスタチンC検査を受けさせられた」
こうしたケースにおいて、専門医が追加検査として用いるのが「血清シスタチンC」というマーカーです。筋肉量や食事内容に値が大きく左右されるクレアチニンと異なり、シスタチンCは全身の有核細胞から一定速度で産生されるため、純粋な糸球体ろ過機能を評価できます。上記の男性の場合、シスタチンCから算出したeGFRは80以上と極めて良好であり、筋トレとプロテインの影響による「見かけの高クレアチニン血症」であったことが判明しました。
ただし、ここで絶対に誤解してはならない危険なトラップがあります。「自分は筋肉が多いから高くて当たり前だ」「プロテインを飲んでいるせいだから放置していい」と自己判断で片付けてしまう心理です。過剰なタンパク質摂取は、体内で分解される過程で大量の窒素老廃物を生み出し、糸球体内圧を上昇させて腎臓へ過剰なろ過ストレス(過剰ろ過)をかけ続けます。たとえ初期は見かけの上昇であっても、何年も暴飲暴食や過剰摂取を継続すれば、真の腎機能障害を誘発するリスクへと転じる事実を現場の医師たちは強く警告しています。