桂銀淑と堀内孝雄「都会の天使たち」誕生秘話と歌姫の波乱の現在

桂銀淑と堀内孝雄「都会の天使たち」誕生秘話と歌姫の波乱の現在

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『都会の天使たち』が単なる流行歌に終わらず、発売から30年以上を経た現在もカラオケの定番として歌い継がれている理由は、その完璧に計算された楽曲構造にあります。

荒木とよひさによる歌詞は、「この都会(まち)に 眠りの天使たちが 遊びに疲れて 夜を運ぶ」という詩的なフレーズから幕を開けます。男女の情愛を直接的な言葉で生々しく描くのではなく、都会の冷たさと、その片隅で寄り添い合う男女の刹那的な温もりを「天使」というメタファーを用いて叙情的に描き出しています。

歌い分けの構成も見事というほかありません。1番のAメロを堀内孝雄が低音で語りかけるように歌い始めると、Bメロで桂銀淑がすっと割り込み、空気を一変させます。そしてサビに向かうにつれて2人の声が重なり合い、ユニゾンとハーモニーが絶妙な緊張感を生み出していきます。

カラオケで美しく聴かせるための技術的なポイントについて、音楽プロデューサーやボイストレーナーの分析では以下の3点が挙げられます。

  • 男声パートの意識:堀内孝雄特有の「タメ」を過剰に真似るのではなく、拍の頭をしっかり捉えてベースを支えること。特に桂銀淑のパートを際立たせるための引き算の美学が求められます。
  • 女声パートのニュアンス:地声と裏声の境界を曖昧にし、息を多く混ぜたウィスパー気味のアプローチから、サビでの突き抜けるハスキーな響きへとダイナミクスをつけることが鍵となります。
  • サビのハモり:主旋律に対して桂銀淑のカウンターパートが複雑に絡むため、相手の音程に引きずられない絶対的なピッチキープ力が要求されます。

男女が対等な歌唱力でぶつかり合いながら、ひとつの物語を紡ぎ出すドラマツルギーこそが、この曲をデュエットソングの最高到達点たらしめている要因です。

松本 悠斗
著者

松本 悠斗

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。