移住検討者がネット上で最も不安を抱く検索キーワードの一つが「大野町噂の真相」です。その噂の中核にあるのは、東側を根尾川、西側を揖斐川という一級河川に挟まれた地形に起因する「浸水リスクへの懸念」と、「鉄道駅がないことによる交通の孤立」という2つの先入観に集約されます。
まず水害リスクについて、大野町役場が公表している大野町ハザードマップおよび国土交通省の治水データを分析すると、実態はネット上の過激な憶測とは大きく異なります。濃尾平野の扇状地上に位置するため、町内の大半は平坦であるものの、過去数十年にわたる堤防強化と遊水地整備によって近年の大規模氾濫は厳しく抑え込まれています。ただし、町南部の一部低地や河川合流部付近、ならびに北部の雁又山・大谷山山麓では大雨時の土砂災害警戒区域が指定されているため、居住地を選ぶ際はハザードマップでピンポイントの浸水想定深を確認することが不可欠です。
もう一方の「陸の孤島」という不便さの噂も、過去のイメージを引きずった誤解です。名神高速道路や新名神高速道路へと直結する東海環状自動車道の整備によって、大野神戸ICから岐阜市中心部までは車で約30分、名古屋市中心部へも約50〜60分での移動が可能になりました。電車通勤を前提とする場合、近隣の穂積駅(JR東海道本線)や大垣駅まで自家用車や路線バスで接続する必要があるものの、「車さえあれば県内屈指のロードサイド利便性を誇る」というのが現場で確認できる客観的現実です。