ばつ丸の魅力を語る上で欠かせないのが、彼を取り巻く仲間たちとのドライかつ奥深い関係性です。従来のサンリオキャラクターに見られた「みんな仲良く手を繋ぐ」ユートピア的な世界観とは異なり、ばつ丸の周囲には現実の人間関係に近い複雑な力学が働いています。
その筆頭が、常にばつ丸と行動を共にするアザラシの男の子「グッドはな丸」です。誕生日は8月7日(花火の日)。何事にもポジティブで、誰に対してもにこやかに微笑むはな丸は、あまのじゃくで毒舌なばつ丸とは完全な対極に位置します。ばつ丸がいたずらを仕掛けても怒るどころか優しく受け止め、トラブルに巻き込まれても動じないその姿は、ファンの間で「聖人」「ばつ丸の唯一無二の理解者」と称されています。この光と影のようなバディ構造が、ばつ丸のひねくれた性格を愛嬌へと昇華させています。
さらに、ばつ丸と丁々発止のバトルを繰り広げるのが、パンダの女の子「伊集院パンダバ」です。デザイナーズマンションに住み、流行のファッションとラップ音楽を愛する彼女は、ばつ丸に対して一切媚びることなく本音でぶつかり合う天敵であり、良きライバル。お互いに意地を張り合いながらもどこか波長が合っている二人のやり取りは、思春期の男女特有の小気味よい距離感を想起させます。
そして極め付きは、ばつ丸の飼っているペットのワニ「ポチ」の存在です。首輪をつけられてばつ丸に散歩されているものの、ときにはポチの方がばつ丸を引っ張り回し、どちらが飼い主かわからないシュールな光景を展開します。従順なペットではなく、対等かつ予測不能な同居生物として描かれるポチのシュールさは、ばつ丸ワールドの独自性を象徴するスパイスとなっています。