ロシアのウクライナ侵攻以降、EUおよびNATO内部におけるパワーバランスは決定的な構造変化を迎えました。ポーランドは国防費をGDP比4%超というNATOトップクラスの水準に引き上げ、大規模な軍備拡張を完了させつつあります。
かつては「経済大国ドイツが方針を決め、東欧諸国が追随する」という構図が一般的でした。しかし現在では、強大な軍事力と地政学的な要衝を押さえるポーランドが、欧州全体の防衛戦略に対して主導権を握り始めています。
防衛意識の高いワルシャワと、財政規律や国内世論の分断に揺れるベルリン。EUを牽引するリーダーシップの重心が東へと移るなか、両国の協調体制が揺らげば、欧州全体の抑止力に直結する局面を迎えています。