下ごしらえを完璧に整えたら、次は火入れの工程です。プロの厨房と家庭の調理環境で最も差が出るのが油の扱いと温度コントロールであり、正しい豚バラ肉厚切りフライパン焼き方をマスターすれば、専用の鉄板がなくても専門店レベルの焼き上がりを実現できます。
鉄則となるのが、冷たいフライパンに肉を並べてから極弱火で点火する「コールドスタート」です。豚バラ肉自体に豊富な脂が含まれているため、油を引く必要はありません。弱火でじわじわと加熱することで、脂身から上質な油が溶け出し、肉自体の油で揚げ焼きのような状態を作り出せます。
加熱中に溶け出た余分な脂は、キッチンペーパーでこまめに拭き取ることが極めて重要です。脂を放置すると肉が油の中で煮え湯状態になり、表面がカリッと香ばしく焼き上がらないばかりか、油酔いの原因になります。片面に香ばしい焼き色がつくまで弱中火で約3分焼き、裏返したらフタをして弱火で2〜3分蒸し焼きにします。
フタを開けて両面に綺麗なキツネ色の焼き目がついたら、すぐにフライパンから取り出し、アルミホイルに包んで約3分間の余熱レスト(休ませ)を行います。この余熱時間によって、中心に向かって逃げていた肉汁が全体に均一に行き渡り、ナイフを入れた瞬間に肉汁が溢れ出す極上の食感に仕上がります。