維持コスト面で優れた特例有限会社ですが、事業拡大や将来の承継を考えた際には無視できないデメリットも存在します。
特例有限会社の主なデメリット
- 株式の譲渡制限を外せない:特例有限会社は法律上、常にすべての株式に譲渡制限が付いており、上場(IPO)や第三者割当増資による機動的な資金調達が制限されます。
- 組織再編の制限:特例有限会社は、他の会社と「吸収分割」や「新設分割」の当事者になることができないなど、高度なM&A手法に制約があります。
- グローバル取引・若年層への訴求力:海外企業との取引では「Limited Company」の概念が正確に伝わらないケースがあり、若い世代の求職者に対してアピールしにくい場合があります。
株式会社へ変更する手続きと費用
特例有限会社から株式会社へ変更する手続きは、法律上「特例有限会社の解散」と「株式会社の設立」を同時に行う形式(商号変更)をとります。新規設立と異なり、会社の同一性を保ったまま移行するため、許認可の取り直しや銀行口座の名義変更に伴う再審査の手間が最小限で済むのが特徴です。
※なお、一度株式会社へ移行すると、二度と特例有限会社に戻すことはできません。役員任期の管理や決算公告といった毎年の義務が恒久的に発生するため、事前の慎重な検討が必要です。