エントランス前にそびえ立つ高さ4.3メートルの「火の鳥」モニュメントをくぐると、そこは手塚治虫が描いた未来と過去が交錯する圧倒的な空間です。メインフロアである1階には、『火の鳥(未来編)』に登場する生命維持装置を模した33基のカプセル展示が並び、手塚治虫の生涯とアニメーションの歩みを年代順に辿ることができます。
自著や当時の手記において手塚治虫は「宝塚の緑豊かな山々での昆虫採集と、母に連れられて観劇した宝塚歌劇が、私のイマジネーションのすべての源泉だった」と述懐しています。館内のステンドグラスには『リボンの騎士』のサファイアや『ブラック・ジャック』をはじめとするキャラクターたちが散りばめられ、手塚作品の原点がこの街にあった事実を実感させます。
2階フロアでは、手塚治虫に関するテーマ展示や著名クリエイターとのコラボレーションを展開する企画展が定期的に刷新されています。原画の筆跡や修正ホワイトの痕跡まで間近で観察できる展示設計は、往年のファンのみならず、現代のクリエイター志望者からも高く評価されています。