かき氷に関して、インターネット上で広く信じられている言説の中には、科学的な観点から見て誤解を含んでいるものが少なくありません。
代表的なものが「天然氷なら絶対に頭がキーンと痛くならない」という説です。頭痛(アイスクリーム頭痛)の主因は、氷の成分ではなく氷の温度と食べるスピードにあります。極度に冷たい氷(マイナス10度以下)を一気に口腔内へ運ぶと、三叉神経が強い刺激を受け、脳が痛みのシグナルとして誤認します。
天然氷を扱う熟練の職人は、氷の削り出し温度を精密にコントロールし、限りなく0度に近い状態で薄く削るため、口内で一瞬にして溶けて神経を刺激しにくいのが真相です。つまり、天然氷であるかどうか以上に、削り手の「温度管理技術」と「刃のメンテナンス精度」こそが、頭が痛くならないふわふわ食感の決定打となります。高純度純氷であっても、名店と呼ばれる職人が削ればキーンとしない極上のかき氷に仕上がります。