『バラ色の日々』の魅力は、歌詞のドラマ性だけに留まりません。ギタリスト・EMMA(菊地英昭)による卓越したギターアレンジと、楽曲の世界観を完璧に具現化したミュージックビデオ(PV)の存在が、その評価を不動のものにしています。
ギタープレイの観点において、本曲はGメジャーキーを基調としながら、王道のコード進行(G - D/F# - Em - Bm/D - C - G/B - Am7 - D7)の中に絶妙なテンションとエモーショナルなオブリガートが組み込まれています。イントロから鳴り響くEMMAの哀愁を帯びたリードフレーズや、ギターソロにおけるダイナミックなチョーキングとビブラートは、数多くのギターキッズやアマチュアバンドのコピー対象となってきました。シンプルでありながら感情の機微を完全に再現することは難しく、現在もギター愛好家の間で「ニュアンスの表現が最も難しい名曲」として語り継がれています。
また、番場秀一監督が手掛けたPVは、巨大な採石場跡や廃墟のようなロケーションで撮影されました。吹き荒れる風と砂埃、射し込むわずかな光の中で、鬼気迫る表情で楽器をかき鳴らすメンバーの姿は、当時のバンドが置かれていた「荒野」そのものを視覚化しています。過剰なCGや装飾を排し、四人の佇まいだけで圧倒的なリアリティを提示した映像美は、90年代邦楽ロックビデオの金字塔として今なお高い評価を得ています。