手軽に生産性を高められるショートカットですが、現場のユーザーコミュニティやITサポート窓口の取材記録からは、運用ルールを怠ったことによるトラブル事例が散見されます。
大手ITサポートデスクの担当者は、自社ヘルプデスクに寄せられる相談の傾向について次のように証言しています。「『共有ドライブの原本ファイルを整理しようとして誤って削除してしまった』という通報を調べると、大半はショートカットではなく実体ファイルをデスクトップへ移動させていたケースです。逆に『デスクトップのショートカットを消したつもりが本体が消えた』という相談もあり、リンクと実体の区別が曖昧なまま作業しているユーザーが驚くほど多い実情があります」。
また、ソーシャルメディアや技術掲示板の検証でも、「ショートカットを作りすぎてデスクトップがアイコンで埋まり、探すのに余計に時間がかかる」「名前が『〜のショートカット』だらけになって視認性が最悪」といった嘆きが多数見られます。認知心理学の観点からも、作業領域であるデスクトップに視覚的刺激が多すぎると、脳のワーキングメモリを圧迫し「選択疲労」を招くことが指摘されています。ショートカットは無差別に増やすのではなく、同時に展開するのは最大でも20個程度に抑えることが認知的効率を保つ防壁となります。