東京藝大を語るうえで避けて通れないのが、「中退者」の圧倒的な存在感です。一般の大学であれば中退はネガティブに捉えられがちですが、藝大においては「才能が学舎の枠に収まりきらなかった証」として語られるケースが少なくありません。
前述のKing Gnu・常田大希氏もその一人です。「大学に入った時点でやりたい音楽のヴィジョンが明確になり、アカデミズムの中に留まり続ける必要性を感じなくなった」という趣旨を後に語っているように、自らの美学や表現スピードを最優先した結果の中退でした。また、小説家の安部公房氏や、数々の映画音楽を手掛けた作曲家たちの中にも藝大中退の経歴を持つ者が点在します。
超難関の入試実技をクリアした時点で、すでに技術的にはプロレベルの基礎が完成しています。学歴という肩書きに固執せず、自らの才能が沸騰した瞬間に迷わず現場へ飛び出す決断力こそが、東京藝大中退の有名人たちが各界のトップランナーへ登りつめる原動力になっているといえます。