トヨタの伝統である「人の知恵が入った自働化(ニンベンのつく自働化)」は、最新のロボティクス技術と衝突するどころか、むしろ進化の触媒となっている。組み立てラインを歩くと、ロボットアームが人間顔負けのしなやかな動きで重量バッテリーをボルト留めする横で、作業員が専用治具の角度をミリ単位で微調整している。
異常があれば即座にラインを止める「アンドン」の哲学は、完全自動化ラインでも変わらない。機械が異常を検知すれば、現場リーダーが即座に駆けつけ原因を究明する。「カイゼン」のDNAが血肉化された作業員一人ひとりの観察眼こそが、海外メーカーには決して真似できない高品質を支える最大の防壁となっている。