「車検のときだけタワシを詰めて基準をクリアすれば良い」という考えは、現在の検査現場では通用しません。道路運送車両の保安基準は年々適正化が進んでおり、単に車検基準音量デシベルを下回れば合格できるわけではないからです。
四輪車の近重排気騒音規制値は車種や年式によって定められており(平成10年規制車で96dB以下、新車時近接排気騒音値+5dB以内など)、二輪車でも大型バイクで94dB前後が一般的な上限です。しかし、検査官は音量測定器の数値だけを見ているわけではありません。
保安基準第30条(騒音防止装置)の細目告示において、消音器は「容易に改造・取り外しができない構造であること」が厳格に求められています。テールエンドを覗き込んだ際に、タワシやスチールウールを針金で縛って押し込んだだけの状態は、「仮設物」「異物の挿入」とみなされ、たとえ音量が80dB台まで落ちていても車検不適合リスクが極めて高く、即座に不合格判定が下されます。公認の型式認定を受けた構造でない限り、検査員の目視確認をパスすることは極めて困難です。