台風の動き方はなぜ決まる?急カーブや迷走の理由と最新の防災科学

台風の動き方はなぜ決まる?急カーブや迷走の理由と最新の防災科学

台風の動き方はなぜ決まる?急カーブや迷走の理由と最新の防災科学の疑問点について、専門知識を詳しくお届けします。

台風シーズンになると、テレビのニュース画面やSNSで「台風が巨大化して日本を丸ごと飲み込む」といった扇情的な投稿が見られます。しかし、これは気象情報の根本的な読み間違いから生じる典型的な誤解です。

気象庁台風進路予想図の見方において、最も重大なルールは「白い点線の予報円は台風の大きさを表していない」という事実です。予報円とは、「台風の中心が70%の確率で入る範囲」を示した確率分布にすぎません。時間が先(3日後、5日後)になるほど大気の予測不確実性が増すため、予報円は自然と巨大になります。円が大きいからといって、台風の暴風域そのものが巨大化しているわけではありません。

もう一つの盲点は、海水温と台風発達の関係です。かつては「日本列島に近づくにつれて海水温が下がり、勢力は自然に衰える」と考えられていました。しかし近年の日本近海は、黒潮の流路や地球温暖化の影響により、本州沿岸近くでも海面水温が27〜28℃以上を維持する期間が長期化しています。台風の燃料である水蒸気が本州直前まで供給され続けるため、勢力を保ったまま(あるいは日本直前で急発達して)上陸する事例が常態化しています。

山崎 陸
著者

山崎 陸

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