事件が発生したのは2019年5月23日午後、東京都新宿区内のタワーマンション一室でした。当時21歳の高岡由佳は、同居を始めたばかりの歌舞伎町ホスト・琉月(るな、当時20歳)がベッドで就寝中、刃渡り約15センチメートルの文化包丁で彼の左腹部を突き刺しました。
重傷を負いながらもエレベーターでエントランスまで逃げ延びた被害者を追いかけた高岡は、倒れ込む彼の傍らで両足を血に染め、スマートフォンを操作しながら煙草を吸い、警察の現行犯逮捕を淡々と待ち続けました。現場を通りかかった一般人によって撮影された顔写真や現場風景がSNS上に流出すると、アニメの「ヤンデレ」キャラクターを想起させるビジュアルとして世界中でセンセーショナルに拡散される事態へと発展します。
事件直後の警察の取り調べに対し、彼女は「好きで好きで仕方がなかった」「刺して殺せば、ずっと私のものになると思った」と供述。逮捕直後に警察車両の後部座席で見せた薄笑いを浮かべるような表情の報道写真は、インターネット空間における偶像化と歪んだ同情論に拍車をかける結果となりました。