SNSやネット掲示板では、しばしば「疑われたら現場から全速力で逃げるのが最善策だ」という極論が散見されます。しかし、現代の交通網と監視社会において、痴漢冤罪での逃走リスクは破滅的な結果を招きます。
ホームから線路へ飛び降りて逃走した場合、鉄道営業法違反や刑法第125条の往来危険罪に問われる可能性があり、列車の緊急停止に伴う数百万円から数千万円規模の損害賠償請求が発生する恐れがあります。何より、進入してくる電車との接触や高圧電流による感電事故など、生命そのものを落とすリスクが極めて高い危険行為です。さらに裁判実務上も、逃走行為は「罪証隠滅または逃亡の恐れ」と認定され、勾留請求がほぼ確実に通る理由として不利に働きます。
現場で疑われた際に命綱となる痴漢冤罪の対処法は、感情的にならず次の手順を徹底することです。
- 両手を高く掲げて潔白をアピールする:「触っていない」と周囲に聞こえる声で毅然と宣言し、相手の体や衣服に自ら触れないように両手を上へ上げます。
- 線路や改札外へ逃げず、身分証を提示して立ち去る意思を示す:逃亡の意志がないことを示すため名刺や免許証を提示し、「私は一切触っていません。仕事の予定があるためこれで失礼します」と告げてその場を離れる試みを記録に残します。
- 駅事務室への自発的移動を拒絶する:密室に入ると私人逮捕が成立しやすくなります。移動を余儀なくされた場合でも「任意同行には応じていない」と明言します。
- 供述調書には絶対に署名・押印しない:警察官の書いた調書に一言でも事実と異なるニュアンス(例:「手が当たったかもしれない」など)があれば、サインを拒否する権利(刑訴法第198条5項)を行使します。