萬屋錦之介の生涯と死因の真相|難病と巨額借金、愛憎の家庭劇を追う

萬屋錦之介の生涯と死因の真相|難病と巨額借金、愛憎の家庭劇を追う

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1970年代に入り、娯楽の中心が映画館からお茶の間のテレビ受像機へと移行すると、錦之介は拠点をテレビドラマへとシフトします。そこで誕生したのが、今なお語り継がれる伝説のアクション時代劇でした。

小池一夫・小島剛夕の原作劇画を実写化した『子連れ狼』(日本テレビ系)における拝一刀役は、錦之介の代名詞となりました。乳母車に刺客の子・大五郎を乗せ、水鴎流波斬室樹の太刀を振るう寡黙な暗殺者の姿は、視聴率30%を超える大反響を巻き起こします。「大五郎!」「ちゃーん!」という掛け合いは当時の流行語となり、海外でも「Shogun Assassin」としてカルト的な人気を獲得しました。

続いて主演を務めた『破れ傘刀舟悪人狩り』(NET系)では、型破りな蘭学医・叶刀舟を熱演。悪徳商人や腐敗官僚に対し、八重垣流抜刀術を閃かせながら放つ「てめえら人間じゃねえや!叩っ斬ってやる!」という決め台詞は、庶民の鬱屈した感情を打ち払う痛快なカタルシスを生み出しました。殺陣の迫力、立ち回りの美しさは歌舞伎由来の基礎に裏打ちされており、現代のアクション俳優では再現不能とされる芸術的な域に達していました。

清水 千尋
著者

清水 千尋

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。