2019年4月に合計15億円の保釈金を納付し、東京都内の指定住居で厳重な監視下に置かれていたゴーンは、同年12月29日、映画さながらの手口で日本を脱出しました。
元米陸軍特殊部隊「グリーンベレー」隊員のマイケル・テイラーら協力者が持ち込んだ大型の音響機器・楽器用ハードケースに身を潜め、新幹線で品川から新大阪へ移動。関西国際空港のプライベートジェット専用ゲートでは、大型荷物のX線検査が当時免除されていた保安上の盲点を突き、手荷物検査をすり抜けてトルコ経由で母国レバノンへ高飛びしました。
この逃亡劇を受け、東京地裁は保釈金を全額没取。さらに、夫の証拠隠滅工作に関与し虚偽の証言を行った疑いにより、キャロル夫人にも偽証容疑で逮捕状が出され、国際刑事警察機構(ICPO)を通じて国際手配が行われました。日本国内の司法関係者や世論は、公正な裁判を受ける権利を自ら放棄したこの違法行為に対し、極めて強い憤りと批判の声を上げました。